僕らの明日の話をしよう
◆
土曜。
決勝リーグが行われる高校の体育館に、私は忍くんと来ていた。
観客席はいっぱいだったので、光太に見つからないよう、壁際に立って観戦中。
「綾。見えてるか?」
「うん。大丈夫」
「しんどくないか? 肩車でもするか?」
「なにそれ。絶対いやだよ」
ただでさえ大きいのに、190センチ近い忍くんの肩車なんて、目立ってしょうがない。
ニットキャップにメガネをかけて変装してくれたけど、元々オーラもあるんだから大人しくしててもらわなきゃ。
私もつばの大きいキャップを目深にかぶって、人垣の間からコートを眺める。
「お。第3からあのクソガキ出るんじゃねーか?」
忍くんの言った通り、インターバルが終わると光太が出てきた。
試合中にしか見られない真剣な闘志あふれる顔つきに、キャップの下でこっそりときめく。
土曜。
決勝リーグが行われる高校の体育館に、私は忍くんと来ていた。
観客席はいっぱいだったので、光太に見つからないよう、壁際に立って観戦中。
「綾。見えてるか?」
「うん。大丈夫」
「しんどくないか? 肩車でもするか?」
「なにそれ。絶対いやだよ」
ただでさえ大きいのに、190センチ近い忍くんの肩車なんて、目立ってしょうがない。
ニットキャップにメガネをかけて変装してくれたけど、元々オーラもあるんだから大人しくしててもらわなきゃ。
私もつばの大きいキャップを目深にかぶって、人垣の間からコートを眺める。
「お。第3からあのクソガキ出るんじゃねーか?」
忍くんの言った通り、インターバルが終わると光太が出てきた。
試合中にしか見られない真剣な闘志あふれる顔つきに、キャップの下でこっそりときめく。