僕らの明日の話をしよう

周りには聴こえないよう小さく呟いたけど、みちるの耳にはしっかり届いたみたい。



「……はあっ!? な、何言ってんの綾!?」



応援の時より声が大きい。

本気で驚いてるみたいだけど、図星を指されたからだってことくらいわかってるよ。



「みちるは私と同じくらい、いつも光太のこと気にしてるもんね」


「それは大切な親友の彼氏だからっ」


「うん。だから、みちるが私から光太を奪おうとか、光太とどうこうなろうとか思ってるわけじゃないって知ってるよ」



光太が色々とだらしなくなってから、みちるは私のことも心配してくれてたけど、光太のことも気にかけていた。


私と光太の仲が危なくなった時も、本気で焦ってくれて。

光太との仲が良くなってからは、心から喜んでくれた。


その影で、ほんの少し、切ない顔をしていたこと。


私は知ってるよ。
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