僕らの明日の話をしよう

光太のことが好きなんだって、確信したのは最近だけど。

きっとかなり前から、みちるはその気持ちを隠してた。



「あたしは、綾の味方だから。綾がいちばんだから。
光太くんのことは、そういうんじゃなくて、別にほんとに見てるだけでいいっていうか……」


「ムリしなくていいよ。責めてるんじゃないからさ」


「……ごめん。黙ってて」


「だから、責めてるんじゃないよ。謝る必要なんてないの」



みちるは悪いことなんて何もしてない。

ただ、光太を好きになっただけ。


そしてそれでも、私と光太を応援し続けてくれていた。

責めるわけないよ。



私たちの口数が減っても試合には何の関係もない。


その後も光太は超速攻やディフェンスを置き去りにするキレのあるドリブルで、点をどんどん取っていき。

その度私たちの応援にもどんどん熱が入っていって。


女子の悲鳴なんだか歓声なんだかわからない声があちこちから響きっぱなしだったけれど。


試合終了の笛が鳴るまで、光太たちはあきらめずゴールを狙い続けていたけれど。


残り3点の差を埋めることは、できなかった。

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