僕らの明日の話をしよう
挨拶が済んで、涙を流す選手、悔しげに顔を歪める選手、ひたすら俯く選手、色々だった中。
光太は体育館の高い天井を見上げていた。
まだ試合中のような、ゴールを見据えるような顔をして。
そんな光太の姿を見て、生まれたのは大きな安堵と……。
それ以上に大きな、寂しさ。
光太はいま、誰より早く次を目指し前を向いている。
私の檄も、フォローも、支えも……もう必要ない。
がんばったね、光太。
かっこいいよ。
かっこ、よかったよ。
バスケ部が私たち応援席に向かって頭を下げるのを、みちるは目に涙をためて見ていた。
みちるもこれまで、光太に色々あったことを、光太が回り道を歩いてきたことを知っている。
私の横で、みちるもずっと、光太のことを見てきたのだから。