僕らの明日の話をしよう



午後6時を過ぎた頃。

約束の場所に、ジャージ姿の光太が現れた。


いままで学校で反省会をしていたらしい。


負け試合のあとだけど、光太は疲れや落ちこみなんて欠片も見せない、いつも通りの元気な笑顔だった。



「綾センパイ、寒くない?」


「いっぱい着てきたから大丈夫」


「クリスマス、何にもできなくてごめんね? センパイの誕生日はがんばるから!」



中学校近くの、公園。

誰もいないコートの中、白い息を吐きながら光太はリュックからバスケットボールを出した。



「今日の俺、かっこよかった?」


「……うん。アリウープとか、いつの間に出来るようになったの?」


「あれまぐれ。鹿島先輩にいきなりやれって言われてさ。
自分でも成功すると思わなかったからちょーびびったよ」



やっぱりまぐれだったか。


やれって言う鹿島くんもだけど、それをやっちゃう光太も相当だ。


でも、成功してほんと良かった。

あれで悪い流れを一気に断ち切れたと思う。
< 426 / 467 >

この作品をシェア

pagetop