僕らの明日の話をしよう
「もっと試合してたかったなー」
「また来年、だね」
「うん。来年は絶対スタメン入る」
ボールを強くバウンドさせて、光太が突然走り出す。
足首がおかしくなりそうなターンを何度も決めて、ボールを叩きこむようにシュートする。
ネットを通ったボールが音を立てて跳ね、それをすぐに拾ってドリブルを続ける光太。
楽しくてしょうがない。
いきいきとした表情と動きがそう叫んでいるようだった。
「来年はもう、綾センパイいないけどさ! 俺、がんばるから!」
「……うん」
「綾センパイがいなくても、ちゃんと朝起きるし! 真面目に練習するし!」
「……うん」
「調子乗ったりしないし、和樹と一緒にてっぺん目指すから!」
「……うん」
「浮気とかしねーし! バスケ一筋でひたすら練習しまくるよ!」