僕らの明日の話をしよう
「なん、で? 俺、なんかした?
センパイに嫌われるようなこと、俺してた?」
綾センパイは、黙って首を振った。
じゃあなんで?
しばらくバスケで忙しくて、彼氏らしいことなんて出来てなかったけど。
でも綾センパイだって受験勉強があるって言ってたし。
俺のこと応援してるって言ってくれてたのに。
ちょっと前は一緒に旅行して、すげー距離縮まって、俺は幸せで幸せで、
死んでもいいって思ったくらいだったのに。
「ずっと、志望校言わないでいたでしょ? 実はね、私受験はしないの」
留学するの。
夢だったの。
だから、別れよう。
俺は理解できなかった。
留学はショックだ。
綾センパイと会えなくなるってことだから。
でも、それが“だから”に繋がる意味がわからなかった。