僕らの明日の話をしよう
「言ったよね、前に。
光太は光太のやりたいことができる場所を、目指すべきだって」
「俺がやりたいことは俺が決めるよ!」
「決まってることを捻じ曲げようとしないで」
「勝手にセンパイが決めんなよ!
何考えてんだよ!? 俺とそんなに別れたいのかよ!!」
綾センパイは、俺の顔を見ずにうなずいた。
「……そうだよ。光太と、別れたい。
私は私のやりたいことに集中したい。だから光太も、自分のやりたいことだけ追いかけて」
なに目ぇ反らしてんだよ。
俺を見ろよ。
俺の目を見て言えよ。
「もう卒業まで、学校に行くことはほとんどないと思う。色々準備があるし……。
卒業式も出られるかわからないの」
なんだよそれ。
そんなことまで決まってて、なんで俺に言わないんだよ。
なんで黙ってたんだよ。
ウィンターカップに集中してほしかったとか言われたら、俺はセンパイを殴ってたかもしれない。
大好きな人で、大切で、彼女で、すぐに折れてしまいそうな儚げな人だけど。
許せる自信がない。