僕らの明日の話をしよう

「言ったよね、前に。
光太は光太のやりたいことができる場所を、目指すべきだって」


「俺がやりたいことは俺が決めるよ!」


「決まってることを捻じ曲げようとしないで」


「勝手にセンパイが決めんなよ!
何考えてんだよ!? 俺とそんなに別れたいのかよ!!」



綾センパイは、俺の顔を見ずにうなずいた。



「……そうだよ。光太と、別れたい。
私は私のやりたいことに集中したい。だから光太も、自分のやりたいことだけ追いかけて」



なに目ぇ反らしてんだよ。


俺を見ろよ。

俺の目を見て言えよ。



「もう卒業まで、学校に行くことはほとんどないと思う。色々準備があるし……。
卒業式も出られるかわからないの」



なんだよそれ。


そんなことまで決まってて、なんで俺に言わないんだよ。

なんで黙ってたんだよ。


ウィンターカップに集中してほしかったとか言われたら、俺はセンパイを殴ってたかもしれない。

大好きな人で、大切で、彼女で、すぐに折れてしまいそうな儚げな人だけど。


許せる自信がない。
< 435 / 467 >

この作品をシェア

pagetop