僕らの明日の話をしよう
「……つらかったね」
みちる先輩のなぐさめに、つい鼻で笑っていた。
「つらい? つらいよそりゃ。
いちばんわかってほしい相手にわかってもらえなかった。全然伝わってなかったんだ。
つらすぎて笑えてくるよ」
冷たいテーブルに額をこすりつけたまま、鼻をすする。
苦しい。
行き場をなくした綾センパイへの想いが募りすぎて、もう破裂しそうだ。
この想いを、俺はどうしたらいいんだよ。
「周りの友だちとか、先生も……光太くんが心配なんだよ」
「はっ! だったら教えてほしいよ。
綾センパイのこと。綾センパイがいまどこにいるのか。
それさえ教えてくれれば、俺は楽になれるのに」
「光太くん……」
「いらねーんだよ、そんな役にも立たない心配なんて。
俺が心配なら、俺のほしいものをくれよ。綾センパイを返してくれよ……っ」