甘い蜜



「私はパスで「いいじゃないの。」」



「はい決定」と言いながらドレスの話をし始めた。



「そもそも、何時なのよ?
 そのパーティー」

「え?
 今日だけど?」



冗談よね?と聞いたけれども、笑われてしまった。



「いいじゃない。
 茉希いつも定時で帰るじゃない。
充分間に合うのよ?」

「まぁ、行くけど。
 飽きたら即帰るからね?」



そのあとも、お昼を食べ続け仕事に戻った。



「憂莉、じゃあね。
 秘書課は大変だね」

「まぁね、営業に変わって欲しいよ」

「残念ながら」



そう言い残し営業二課に帰っていった。



「遅れました」

「遅ぇよバカ。
 何油売ってんだよ」

「陽祐五月蝿い」



 私の一言にギャーギャー喚きだすのは森 陽佑(モリ ヨウスケ)

 同い年なだけあってよく話すのだけれど、心地よい話ではない。



「陽祐、静かにしようか」



 そして、その陽祐を宥めたのが、御子柴 要(ミコシバ カナメ)。

 天然の女誑しだ。



「茉希ちゃん具合悪いの?」



 いきなり耳元から聞こえた声に肩が震える。

 話しかけてくるのは冨樫 琉依(トガシ ルイ)。

人との距離が異常に近い。

陽祐を覗いた三人はみな年上だ。



「陽祐。」

「あ゙?」



なんでそんなに睨むのよ…



「主任は?」

「お前と入れかわりで煙草行った」
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