甘い蜜

「また…?」

「お前、煙草って言うとあからさまに嫌な顔するよな」

「嘘!?顔にでてる!?」



顔には出してないつもりだったのに…



「そんなことより、パーティーって?」

「へ?
 …先輩、聞いてたんですか?」



琉依の不意打ちに肩が跳ねる。



「先輩、近いですよ?」

「そう?俺にとってはって何すんの!?
 要!!」

「琉依君。人のモノには手をだしちゃいけないって」

「先輩?
 私は貴方のモノではありませんけど?」

「照れちゃって」



ち、近い…

二人とも距離が異常に近い…

やっぱり、二人とも顔は整ってるなぁ…

そのぶん常識が無いのだけれども。



「照れてなんかいませんから
 早く仕事してくださいよ?」

「分かったよ」

「りょーかい!」



二人は自分のデスクに戻っていった。

しばらくすると…



「ただいま」

「お帰りなさい」

「おかえりー」

「遅い」

「悪かったって。
 はい、土産」



そう言って渡された袋の中には…



「主任…」

「神谷君。
 何でハムスター」



 神谷 蛍(カミヤ ケイ)つまり、主任が渡してきた袋の中にはハムスターが…

しかも四匹。



「可愛いだろ?」



あまりのバカさ加減に目頭を押さえた。
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