ぬくもりを感じて
そんな話をしていると、玄関のチャイムが鳴って客と呼ばれた人物が居間に入ってきた。
「坂野佳世 (さかのかよ)です。
木吹瑞歩さんと付き合って1年4か月になりました。
でも、瑞歩さんがいきなり婚約を解消してしまって・・・黙っていようかとも思ったのですが、最近ここに妹さんがアメリカから来られたとお聞きして。
話によっては私の家に泊まっていただこうかと・・・。」
「ちょ、ちょっと待ってください。
いきなり、婚約してたっていわれても・・・じつはこれでそういう人2人目だし。」
「2人目ってどういうことですか?
誰なんです?私の知ってる人かしら?」
「さぁ・・・名前も言わなかった人だから。」
「名前も言わないなんて、おかしいです!」
「そういえば、僕は君を知ってる。
瑞歩とよく駅前の喫茶店にいたのを見たこともあるな。」
「はい、直接お話したことはありませんでしたが、瑞歩さんが親友だって言ってました。
でも、妹さんをここに住まわせるのは変な噂がたつんじゃないかと思って、私はおじゃましました。」
「あ・・・ぜんぜん大丈夫ですよ。
智樹さんは学校では先生だし、ここはお部屋が多いからふだんは用事があるときしか会わないし。
私はよねさんといる方が多いくらいですから。」
「でも、これからは騒がれるんじゃありませんか?」
「えっ?」
「花霧高校の有名アイドル教師の家で同居している女子高生って。」
「なんで、あなたがそんなこと・・・。」
「わかりました。あなたは確かに瑞歩といたところを僕は確認している。
彼女に提供しようという家を見せてもらえますか。
僕としても今は保護者なんでね・・・住むところを見せてもらう権利はあると思うんですが。」
「それはもちろん。
うちはここまで広いお邸ではありませんが、あいている部屋はあるんです。
明日、早速見ていただきましょう。」
坂野佳世は翌日の約束をすると、さっさと帰っていった。
「智樹さん・・・すみませんでした。」
「なんで、君が謝るの?
それに・・・僕はまだ今の彼女をすべて信用したわけじゃないんだけど。」
「でも、坂野さんの言ってることもわかります。
先生は独身だし、身だしなみきちんとすれば、いっぱい女の人が着いてくるようになったから、私もここにいない方が安全じゃないかって気がしていました。
いい機会ですよね。
お兄ちゃんが帰ってきてくれればいいけど・・・今の感じじゃ、どうなるかなんてわからないし。」
「凛花・・・。
僕はお兄ちゃんになりたかったのかもしれない。」
「えっ?」
「瑞歩がうらやましくてさ。妹っていれば生きるはりあいみたいなのができるってうれしくなってしまったんだ。
だから、もっさりだとか、汚いとか言われてばかりじゃだめだなって思って・・・。」
「私のためにきれいになってくれたんですね。
そうだったの・・・。
私、決めました。
明日、よっぽど変な家でなければ、ここを出ていきます。
変な家だったとしてもここを出ます。
とりあえず、アパート住まいをしながら、学生寮を申し込んでおこうと思います。
それならいいでしょう?」
「わかった・・・。ごめん・・・こんな結果になって。」
「坂野佳世 (さかのかよ)です。
木吹瑞歩さんと付き合って1年4か月になりました。
でも、瑞歩さんがいきなり婚約を解消してしまって・・・黙っていようかとも思ったのですが、最近ここに妹さんがアメリカから来られたとお聞きして。
話によっては私の家に泊まっていただこうかと・・・。」
「ちょ、ちょっと待ってください。
いきなり、婚約してたっていわれても・・・じつはこれでそういう人2人目だし。」
「2人目ってどういうことですか?
誰なんです?私の知ってる人かしら?」
「さぁ・・・名前も言わなかった人だから。」
「名前も言わないなんて、おかしいです!」
「そういえば、僕は君を知ってる。
瑞歩とよく駅前の喫茶店にいたのを見たこともあるな。」
「はい、直接お話したことはありませんでしたが、瑞歩さんが親友だって言ってました。
でも、妹さんをここに住まわせるのは変な噂がたつんじゃないかと思って、私はおじゃましました。」
「あ・・・ぜんぜん大丈夫ですよ。
智樹さんは学校では先生だし、ここはお部屋が多いからふだんは用事があるときしか会わないし。
私はよねさんといる方が多いくらいですから。」
「でも、これからは騒がれるんじゃありませんか?」
「えっ?」
「花霧高校の有名アイドル教師の家で同居している女子高生って。」
「なんで、あなたがそんなこと・・・。」
「わかりました。あなたは確かに瑞歩といたところを僕は確認している。
彼女に提供しようという家を見せてもらえますか。
僕としても今は保護者なんでね・・・住むところを見せてもらう権利はあると思うんですが。」
「それはもちろん。
うちはここまで広いお邸ではありませんが、あいている部屋はあるんです。
明日、早速見ていただきましょう。」
坂野佳世は翌日の約束をすると、さっさと帰っていった。
「智樹さん・・・すみませんでした。」
「なんで、君が謝るの?
それに・・・僕はまだ今の彼女をすべて信用したわけじゃないんだけど。」
「でも、坂野さんの言ってることもわかります。
先生は独身だし、身だしなみきちんとすれば、いっぱい女の人が着いてくるようになったから、私もここにいない方が安全じゃないかって気がしていました。
いい機会ですよね。
お兄ちゃんが帰ってきてくれればいいけど・・・今の感じじゃ、どうなるかなんてわからないし。」
「凛花・・・。
僕はお兄ちゃんになりたかったのかもしれない。」
「えっ?」
「瑞歩がうらやましくてさ。妹っていれば生きるはりあいみたいなのができるってうれしくなってしまったんだ。
だから、もっさりだとか、汚いとか言われてばかりじゃだめだなって思って・・・。」
「私のためにきれいになってくれたんですね。
そうだったの・・・。
私、決めました。
明日、よっぽど変な家でなければ、ここを出ていきます。
変な家だったとしてもここを出ます。
とりあえず、アパート住まいをしながら、学生寮を申し込んでおこうと思います。
それならいいでしょう?」
「わかった・・・。ごめん・・・こんな結果になって。」