ぬくもりを感じて
大樹は律子との電話をきると、部下数人に凛花の必要な荷物をまとめさせ、車で智樹のところへと行かせた。
「大樹さん、俺は自宅があるので・・・」
「帰ったばかりでまだ住めないんだろう?
とりあえず私が手放さずにいられるホテルの部屋を用意してる。
もちろん、こちらの勝手で動いてもらったのだから、料金の心配はいらないよ。」
「智樹はそんなに・・・ダメージ受けてるんですか?」
「電話では・・・落ち込んでいたな。
すまないな。妹さんの力を貸してもらわないと、無理だと思うから。」
大樹の話をきいて智樹のところへ急ぐ凛花だったが、本当に凛花の言葉で元気を出してくれるかどうかは不安でいっぱいだった。
記憶がもどったから、凛花に不安はなくなったが、そのせいでセルジュとはもう親密な付き合いなどできなくなってしまった。
家族でもない自分が智樹にいったい何といってはげましたらいいのかなんて、わかるはずもない。
邸にたどり着き、大樹の使用人たちが部屋に荷物を運び入れている。
どうやら、締め出されることはないようだ。
凛花は入口で入っていいか躊躇していた。
「凛花、風邪をひくよ。
早く、中に入るんだ。」
「はい・・・急に押しかけてすみません。」
智樹は温かい紅茶を入れると、凛花にすすめた。
兄の家に入れなかったときのように、家に招いてくれたようだった。
「あの、私・・・記憶がもどりました。
そのせいで、お兄さんのお家が大変なことになってしまって・・・智樹さんも嫌なことをさせられて・・・ごめんなさい。」
「謝らなくていい・・・君がなぐさめてくれるなら・・・僕はぜんぜんかまわないよ。」
いつもの智樹とは違う感覚!
優しい目をしていない!
そう思った瞬間、凛花はいつも自分が使っていた部屋へ逃げようとしたが、すぐにいく手を阻まれてはげしく、キスされてしまう。
「い、いやっ!」
何とか智樹の腕から逃げ出そうとしたが、リビングの床に押し倒されて着ていたTシャツも破られて首筋にキスされながらブラジャーまで押し上げられてしまった。
「あっ、ああ・・・や、やめてぇ!いやぁあああ!こんなの・・・いやっ!」
必死に抵抗しながら泣き叫ぶ凛花に、はっと我にかえる智樹だった。
「僕は・・・ここで何をやってるんだ・・・凛花をこんなに泣かせるつもりなんかないのに。
ただ、凛花に元気をもらえたら・・・って思っただけなのに・・・。
ご、ごめん・・・ごめんよ。泣かせるつもりはなかった。
凛花がきてくれてうれしかったんだ。
だけど・・・もう嫌になってしまったよね。
こんなひどい男。いきなり学校の理事長をやれとか研究者の住まいを管理しろだとか・・・わけがわからないんだ。」
「先生らしくないね。
私がここに来たときに食べるものをくれたことや、国語を教えてくれたことからすれば、きっと簡単だと思うわ。
大樹さんが明日には教えてくれる先生が来るって言ってたし。
大樹さんなんてもっともっとたくさんの会社をお父さんが亡くなったからって全部押し付けられて、途方にくれちゃったらしいよ。
智樹さんなんて、ぜんぜん少ないんだから大丈夫。
研究者の住まいなら、私もお兄ちゃんも研究者なんだから、平気でしょ。」
「大樹さん、俺は自宅があるので・・・」
「帰ったばかりでまだ住めないんだろう?
とりあえず私が手放さずにいられるホテルの部屋を用意してる。
もちろん、こちらの勝手で動いてもらったのだから、料金の心配はいらないよ。」
「智樹はそんなに・・・ダメージ受けてるんですか?」
「電話では・・・落ち込んでいたな。
すまないな。妹さんの力を貸してもらわないと、無理だと思うから。」
大樹の話をきいて智樹のところへ急ぐ凛花だったが、本当に凛花の言葉で元気を出してくれるかどうかは不安でいっぱいだった。
記憶がもどったから、凛花に不安はなくなったが、そのせいでセルジュとはもう親密な付き合いなどできなくなってしまった。
家族でもない自分が智樹にいったい何といってはげましたらいいのかなんて、わかるはずもない。
邸にたどり着き、大樹の使用人たちが部屋に荷物を運び入れている。
どうやら、締め出されることはないようだ。
凛花は入口で入っていいか躊躇していた。
「凛花、風邪をひくよ。
早く、中に入るんだ。」
「はい・・・急に押しかけてすみません。」
智樹は温かい紅茶を入れると、凛花にすすめた。
兄の家に入れなかったときのように、家に招いてくれたようだった。
「あの、私・・・記憶がもどりました。
そのせいで、お兄さんのお家が大変なことになってしまって・・・智樹さんも嫌なことをさせられて・・・ごめんなさい。」
「謝らなくていい・・・君がなぐさめてくれるなら・・・僕はぜんぜんかまわないよ。」
いつもの智樹とは違う感覚!
優しい目をしていない!
そう思った瞬間、凛花はいつも自分が使っていた部屋へ逃げようとしたが、すぐにいく手を阻まれてはげしく、キスされてしまう。
「い、いやっ!」
何とか智樹の腕から逃げ出そうとしたが、リビングの床に押し倒されて着ていたTシャツも破られて首筋にキスされながらブラジャーまで押し上げられてしまった。
「あっ、ああ・・・や、やめてぇ!いやぁあああ!こんなの・・・いやっ!」
必死に抵抗しながら泣き叫ぶ凛花に、はっと我にかえる智樹だった。
「僕は・・・ここで何をやってるんだ・・・凛花をこんなに泣かせるつもりなんかないのに。
ただ、凛花に元気をもらえたら・・・って思っただけなのに・・・。
ご、ごめん・・・ごめんよ。泣かせるつもりはなかった。
凛花がきてくれてうれしかったんだ。
だけど・・・もう嫌になってしまったよね。
こんなひどい男。いきなり学校の理事長をやれとか研究者の住まいを管理しろだとか・・・わけがわからないんだ。」
「先生らしくないね。
私がここに来たときに食べるものをくれたことや、国語を教えてくれたことからすれば、きっと簡単だと思うわ。
大樹さんが明日には教えてくれる先生が来るって言ってたし。
大樹さんなんてもっともっとたくさんの会社をお父さんが亡くなったからって全部押し付けられて、途方にくれちゃったらしいよ。
智樹さんなんて、ぜんぜん少ないんだから大丈夫。
研究者の住まいなら、私もお兄ちゃんも研究者なんだから、平気でしょ。」