狼君の孤独





振り下げられてから、数十秒経過。



なのに、さっきの頬の痛みしか感じない。




不思議に思って目を開くと、私の目の前に男の人が立っていた。



黒い髪はとてもサラサラして、爽やかな心地のいい香りが鼻を擽る。




だ……れ?




「ひい…!」


通り魔は、強ばった顔になった。



「ご、ごめんなさいいいいいい!」




通り魔はバタバタと騒がしく、真っ暗な道を走って行った。




た、助かったの…私?



< 7 / 14 >

この作品をシェア

pagetop