「異世界ファンタジーで15+1のお題」三
*
「こ…これは…!!」
ドームの中が明るくなるに連れ、セスはそこらに転がる亡骸に気が付き、青ざめた。
「……だから言っただろ?
ここは天国じゃない、地獄だって…」
「そういう意味だったのか…」
セスは立ちあがり、壁際の亡骸の傍に行くと、その場で両手を組んで祈りを捧げる。
「セス…」
その姿にフォルテュナは複雑な想いを感じた。
「可哀想に…こんな所で…こんな姿になって…」
セスは、亡骸の一つ一つに言葉をかけていた。
(……僕は…ただ、怖いと感じただけだったのに…)
フォルテュナは自分のことを酷くちっぽけな存在に感じた。
恥ずかしさと気まずさに、フォルテュナは俯いたまま、その顔を上げることが出来なかった。
*
やがて、時と共にドームの中は再び漆黒の世界に戻った。
「フォルテュナ…これからどうするつもりだ?」
フォルテュナのすぐ傍で身体を横たえたセスが呟く。
「……まだわからない。
どうすれば良いのか…わからないんだ…」
「あんたは、こっち側へ行きたいんだろう?」
暗い闇の中では指差された方向がわからないが、おそらく正しい方向を差しているのだと思ったフォルテュナは、答えた。
「そうだよ。
でも、頑張れる自信がない…」
「二人ならどうだ?」
「えっ…?!でも、君は僕とは反対側に…」
「そのつもりだったんだけど、残念ながら俺もここから一人で通り抜ける自信がない…
でも、二人なら…二人だったら、なんとか支えあっていけるんじゃないかと思うんだ。
もしも、ここから出られたら、僕はまたもう一度挑戦するつもりさ。
もちろん、今度は、もっとしっかりと装備を備えてね。
たった一度の失敗で、子供の頃からの夢を諦めるなんてのいやだからな。」
「君はとても強いんだね…」
「……強い?
ただ、諦めが悪いだけさ。」
フォルテュナには、セスの照れたような笑顔が見えるような気がした。
「こ…これは…!!」
ドームの中が明るくなるに連れ、セスはそこらに転がる亡骸に気が付き、青ざめた。
「……だから言っただろ?
ここは天国じゃない、地獄だって…」
「そういう意味だったのか…」
セスは立ちあがり、壁際の亡骸の傍に行くと、その場で両手を組んで祈りを捧げる。
「セス…」
その姿にフォルテュナは複雑な想いを感じた。
「可哀想に…こんな所で…こんな姿になって…」
セスは、亡骸の一つ一つに言葉をかけていた。
(……僕は…ただ、怖いと感じただけだったのに…)
フォルテュナは自分のことを酷くちっぽけな存在に感じた。
恥ずかしさと気まずさに、フォルテュナは俯いたまま、その顔を上げることが出来なかった。
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やがて、時と共にドームの中は再び漆黒の世界に戻った。
「フォルテュナ…これからどうするつもりだ?」
フォルテュナのすぐ傍で身体を横たえたセスが呟く。
「……まだわからない。
どうすれば良いのか…わからないんだ…」
「あんたは、こっち側へ行きたいんだろう?」
暗い闇の中では指差された方向がわからないが、おそらく正しい方向を差しているのだと思ったフォルテュナは、答えた。
「そうだよ。
でも、頑張れる自信がない…」
「二人ならどうだ?」
「えっ…?!でも、君は僕とは反対側に…」
「そのつもりだったんだけど、残念ながら俺もここから一人で通り抜ける自信がない…
でも、二人なら…二人だったら、なんとか支えあっていけるんじゃないかと思うんだ。
もしも、ここから出られたら、僕はまたもう一度挑戦するつもりさ。
もちろん、今度は、もっとしっかりと装備を備えてね。
たった一度の失敗で、子供の頃からの夢を諦めるなんてのいやだからな。」
「君はとても強いんだね…」
「……強い?
ただ、諦めが悪いだけさ。」
フォルテュナには、セスの照れたような笑顔が見えるような気がした。