「異世界ファンタジーで15+1のお題」三
「こっちだ!」
そう言いながら、セスがフォルテュナを案内したのは城の門ではなかった。
彼は、何度かここに来たことがあるらしく、塀がひび割れ中に入れる道を知っていた。
城壁の内部は、長い間、人が足を踏みこんだ形跡がない。
背の高い雑草が、伸び放題に広がっていた。
それらを手でかきわけ、踏みしだきながらフォルテュナとセスは歩いて行く…
「すごい所だね。」
「そうだな。
前に来た時より酷くなってる気がするよ。」
「君はここにはよく来るの?」
「よくってことはないけど、何度かある。
でも、のぞいただけでここまで入ったことはないんだ。
連れがいると、気が大きくなるのかもしれないな。」
「……友達と来たことはないの?」
「……残念ながら、こういう所に一緒に来る友達はいないよ。
あんたは友達は多いのか?」
「いや…僕には友達はいない…」
「そんなことないだろ?!」
「本当だよ。」
「じゃあ……俺は、何なんだ?」
「……え?」
(君は…僕の友達…?
そう思って良いの…?)
フォルテュナは心の中の疑問を口に出すことはしなかった。
セスもまた、フォルテュナにそれ以上答えを求めることはなかった。
お互い、どこか気まずい空気を感じながら歩く二人の前に、搭の外壁が現れた。
セスは、外壁の周りを調べている。
「外に扉はないから、中からじゃないと入れないんだろうな。」
そう言いながら、セスはあたりに目を配る。
「あ、セス!
あそこから入れないかな?」
フォルテュナの方が先に割れた窓ガラスをみつけた。
「そうだな、あそこから城の中に入って、そこから搭に上るか…
俺達、まるで泥棒みたいだな…!」
セスの微笑みに、フォルテュナが同じように微笑を返す。
「じゃあ、宝物をみつけたら山分けだね!」
フォルテュナの思いがけない冗談に、セスも、そしてフォルテュナ本人も驚き、そして次の瞬間、二人は顔を見合わせて微笑んだ。
そう言いながら、セスがフォルテュナを案内したのは城の門ではなかった。
彼は、何度かここに来たことがあるらしく、塀がひび割れ中に入れる道を知っていた。
城壁の内部は、長い間、人が足を踏みこんだ形跡がない。
背の高い雑草が、伸び放題に広がっていた。
それらを手でかきわけ、踏みしだきながらフォルテュナとセスは歩いて行く…
「すごい所だね。」
「そうだな。
前に来た時より酷くなってる気がするよ。」
「君はここにはよく来るの?」
「よくってことはないけど、何度かある。
でも、のぞいただけでここまで入ったことはないんだ。
連れがいると、気が大きくなるのかもしれないな。」
「……友達と来たことはないの?」
「……残念ながら、こういう所に一緒に来る友達はいないよ。
あんたは友達は多いのか?」
「いや…僕には友達はいない…」
「そんなことないだろ?!」
「本当だよ。」
「じゃあ……俺は、何なんだ?」
「……え?」
(君は…僕の友達…?
そう思って良いの…?)
フォルテュナは心の中の疑問を口に出すことはしなかった。
セスもまた、フォルテュナにそれ以上答えを求めることはなかった。
お互い、どこか気まずい空気を感じながら歩く二人の前に、搭の外壁が現れた。
セスは、外壁の周りを調べている。
「外に扉はないから、中からじゃないと入れないんだろうな。」
そう言いながら、セスはあたりに目を配る。
「あ、セス!
あそこから入れないかな?」
フォルテュナの方が先に割れた窓ガラスをみつけた。
「そうだな、あそこから城の中に入って、そこから搭に上るか…
俺達、まるで泥棒みたいだな…!」
セスの微笑みに、フォルテュナが同じように微笑を返す。
「じゃあ、宝物をみつけたら山分けだね!」
フォルテュナの思いがけない冗談に、セスも、そしてフォルテュナ本人も驚き、そして次の瞬間、二人は顔を見合わせて微笑んだ。