「異世界ファンタジーで15+1のお題」三
「ターニャ様、それは一体どういうことなのですか?」
「今、申した通りです。
あれは魔術…とても良くない魔術によって引き起こされたもの…
異常気象等ではないということです。」
そう言うと、ターニャはその場にいた者達の顔をぐるりと見渡し…
その鋭い瞳は、ルシアンの所でぴたりと停まった。
「詳しいことはいずれまたお話致しますが…
少し、この国のことを知りたいのですが、どなたか…そう、あなた…」
指差されたルシアンは、驚いた様子でターニャをみつめる。
「ターニャ様、あの方はこの国の皇太子妃様のルシアン様でして…
案内なら、誰か別の者を…」
「いえ、マルセル。
私がターニャ様をご案内させていただきますわ。」
「……ありがとうございます、ルシアン様。」
*
「では、まず、城の中からご案内致しましょうね。」
「……ルシアン様、お庭を案内していただけないでしょうか?」
「お庭を……?
ええ、では、お庭へ参りましょう。
ちょうど今は薔薇の花が満開なんですよ。」
「そうですか…それは楽しみです。」
二人は他愛ない話をしながら、庭の薔薇園へ向かった。
「まぁ…美しい!
まるで天国みたいですわね!」
咲き誇る色とりどりの薔薇の花に、ターニャが感嘆の声をあげた。
「喜んでいただけて幸いです。」
「……ルシアン様…
天界とはやはりここのような所なのですか?」
「……えっ?
……今、なんと……」
ルシアンの瞳に怖れの色が浮かぶ…
「……ルシアン様。
あなた、とんでもないことをしてしまわれたようですね。」
「とんでもないこと…?
私が……?」
「……あなた……
悪しき者と契約を交わしてしまいましたね…」
「い、一体、あなたは何のことを…」
うろたえるルシアンに向かい、ターニャはすっと人差し指を立てて空を指差した。
「あなたのせいで、天に大きな穴が開こうとしています…」
その言葉に、ルシアンはハッと息を飲んだ。
ルシアンの脳裏には、忘れかけていた森の中での出来事が甦る…
「まさか……あのお婆さんが……」
そう呟いたルシアンの唇が、次第にその色を失っていく…
「今、申した通りです。
あれは魔術…とても良くない魔術によって引き起こされたもの…
異常気象等ではないということです。」
そう言うと、ターニャはその場にいた者達の顔をぐるりと見渡し…
その鋭い瞳は、ルシアンの所でぴたりと停まった。
「詳しいことはいずれまたお話致しますが…
少し、この国のことを知りたいのですが、どなたか…そう、あなた…」
指差されたルシアンは、驚いた様子でターニャをみつめる。
「ターニャ様、あの方はこの国の皇太子妃様のルシアン様でして…
案内なら、誰か別の者を…」
「いえ、マルセル。
私がターニャ様をご案内させていただきますわ。」
「……ありがとうございます、ルシアン様。」
*
「では、まず、城の中からご案内致しましょうね。」
「……ルシアン様、お庭を案内していただけないでしょうか?」
「お庭を……?
ええ、では、お庭へ参りましょう。
ちょうど今は薔薇の花が満開なんですよ。」
「そうですか…それは楽しみです。」
二人は他愛ない話をしながら、庭の薔薇園へ向かった。
「まぁ…美しい!
まるで天国みたいですわね!」
咲き誇る色とりどりの薔薇の花に、ターニャが感嘆の声をあげた。
「喜んでいただけて幸いです。」
「……ルシアン様…
天界とはやはりここのような所なのですか?」
「……えっ?
……今、なんと……」
ルシアンの瞳に怖れの色が浮かぶ…
「……ルシアン様。
あなた、とんでもないことをしてしまわれたようですね。」
「とんでもないこと…?
私が……?」
「……あなた……
悪しき者と契約を交わしてしまいましたね…」
「い、一体、あなたは何のことを…」
うろたえるルシアンに向かい、ターニャはすっと人差し指を立てて空を指差した。
「あなたのせいで、天に大きな穴が開こうとしています…」
その言葉に、ルシアンはハッと息を飲んだ。
ルシアンの脳裏には、忘れかけていた森の中での出来事が甦る…
「まさか……あのお婆さんが……」
そう呟いたルシアンの唇が、次第にその色を失っていく…