秘密の歌は俺へのエール
ー星都sideー

「おーい、星都にやけ過ぎ。夏日ちゃんとなんかあったのか~?」

「そんなににやけてる?」

「あぁ。」


俺の机に頬杖をつきながら頷く日向。


「千羽鶴、作ってくれるって。」

「へぇ~よかったじゃん!それもそうと知ってるか?」


急に身を乗り出す日向に俺は少々戸惑う。


「な、何を?」

「今年の応援歌で吹奏楽が雨音の曲やるらしいぜ。」

「雨音って誰?」

「ほんっと何も知らねーのな(笑」


イスに座り直す。


「うっせぇ。俺は野球一筋なんだよ!」

「今はどうかな?」

「さぁどうかな?」


ほんとにわからない。だが、一目で他の女子と、なんとなく世界観が違うと思った。
夢を一緒に追いかけてみたい…


「っていうかその雨音って歌手?」

「ただの歌手じゃねぇよ。現役高校生で素性一切未公開の謎多きシンガーソングライター。」

「す、すげぇ…現役高校生って…」


今の俺は結構情けない顔してる気がする。
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