秘密の歌は俺へのエール
七美に向き直ってそう言う。
七美は七美で、


「どうぞどうぞ、ご遠慮なく!」

「じゃあお言葉に甘えて。」


七美のバカ~!

そんなこんなで私は屋上に連れてこられた。


「それで、私に何の用ですか?」

「ひとつだけ聞きたいことがあるんだけどいい?」

「構いませんが…」

「どうしてこの前、歌いながら泣いてたわけ?」


え…?この前って…教室で誰もいなかったから夕焼け見ながら無意識のうちになんかうたっちゃってて…それを聞かれた?
まずい、非常にまずい。バレるの?バレないの?
でももしかしたら星都は、私が歌手やってるのを知らないかも…
どうしよー!


「あ、ごめん。答えたくなかったらいいよ。そりゃ嫌だよな、今日知り合ったばかりの奴にいきなり泣いてた理由なんか言えるわけないよな。」


どうやら思い過ごしのようで少し安心。


「ごめんなさい。」

「謝るなって。あんたが悪いわけじゃないんだから。その代わり友達になってよ。これから白河…いや、夏日のこともっと知りたい。」

ドキッ。
何?今のドキッって。


「私なんかがいいの?」

「私なんかって…ハハハ…!」


何か私変なこと言ったかな?

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