空恋 ~君が残したメッセージ~





「でも、おかしいんだ。


さっき茜が側にいなくて取り乱したんだ。


私には茜しかいないんだって。


少し異常じゃねぇの?」



「そんなことないわよ」




俺の言葉を否定する母さん。




「お母さんなら当たり前のこと。


それにまだ16歳なんでしょ。


誰だって不安に思うわ」




「そうゆうもん?」



「ええ」




やっぱり考えすぎたかな。



ちょっと、一回頭冷やしてこよ。




そう思ってリビングのドアに目をやると



実侑がドアの隙間から見ていた。



「実侑…」



俺が実侑を呼ぶとビクッとしたように



俺を見た。



「茜が恵の家にいるって聞いたから


迎えに来たんだけど…


ご、ごめんなさいっ」



< 114 / 196 >

この作品をシェア

pagetop