空恋 ~君が残したメッセージ~
「でも、おかしいんだ。
さっき茜が側にいなくて取り乱したんだ。
私には茜しかいないんだって。
少し異常じゃねぇの?」
「そんなことないわよ」
俺の言葉を否定する母さん。
「お母さんなら当たり前のこと。
それにまだ16歳なんでしょ。
誰だって不安に思うわ」
「そうゆうもん?」
「ええ」
やっぱり考えすぎたかな。
ちょっと、一回頭冷やしてこよ。
そう思ってリビングのドアに目をやると
実侑がドアの隙間から見ていた。
「実侑…」
俺が実侑を呼ぶとビクッとしたように
俺を見た。
「茜が恵の家にいるって聞いたから
迎えに来たんだけど…
ご、ごめんなさいっ」