空恋 ~君が残したメッセージ~
「あ、そうそう。」
母さんは切り終わったのか
切り分けたタルトを俺の分と母さんの分を
持ってきて、何かを思い出したように
話しかけてきた。
「お隣さんね
恵と同じくらいか少し下くらいの
綺麗で可愛い女の子だったわよ。
親子二人で越して来たんですって」
「ふーん…」
またしても興味なさげな返事。
女か…めんどくせぇ。
関わりたくねぇな。
「ここら辺なら、恵と同じ学校かもね!
あじゃあ、恵。ちょっと頼まれてくれる?」
「…は?」
「お礼したいのよ!
だから伝言をしてきてくれる?
私は晩御飯の用意があるから」
「なんっ…!?」
なんで俺なのか言おうとしたら
ちょうど姉貴が帰ってきた。
「ふー、あちぃ…」
「あ、蘭お帰りなさい」
「げっ」
姉貴帰ってきやがった。