空恋 ~君が残したメッセージ~
手には私の嫌いな色の
黒の手提げを持っており
漂うような大人の雰囲気に圧倒された。
「初めまして。
彩乃(あやの)っていいます」
リビングのソファーに彩乃さんを座らせて
今の時期は寒いので
温かい紅茶を淹れてあげた。
「…これ、どうぞ」
「ありがとう」
笑顔でそう答えた彩乃さんは
紅茶をそっと飲んでお皿に置いた。
____なにを言われるんだろう。
私は彩乃さんと少し距離をとって
向かい側の一人用ソファーに座った。