空恋 ~君が残したメッセージ~



手には私の嫌いな色の

黒の手提げを持っており

漂うような大人の雰囲気に圧倒された。




「初めまして。
彩乃(あやの)っていいます」



リビングのソファーに彩乃さんを座らせて

今の時期は寒いので

温かい紅茶を淹れてあげた。



「…これ、どうぞ」


「ありがとう」



笑顔でそう答えた彩乃さんは

紅茶をそっと飲んでお皿に置いた。




____なにを言われるんだろう。



私は彩乃さんと少し距離をとって

向かい側の一人用ソファーに座った。



< 180 / 196 >

この作品をシェア

pagetop