空恋 ~君が残したメッセージ~
Episode 1
引っ越し
【実侑side】
ピンポーン
新居の隣にある
風情ある昔ながらの一軒家の
インターホンの音が外まで鳴り響く。
そう、インターホンを鳴らしたのは私。
そして、新居は私がこれから住む家。
私はこの町へ引っ越してきた。
私は青野実侑、16歳。
隣の人に挨拶をしようと
お餞別を持ってきたのだ。
今は初春でひしひしと汗が伝ってくるのが
滲むほどよく分かる。
暑い…
確か天気予報で今年一番の暑さとかなんとか
言ってたっけな。
春ってもっと暖かいものだと思ってたんだけどな。
初春から最高温度とか。
あー暑い。