空恋 ~君が残したメッセージ~
「いや、叫び声が聞こえたから…」
「あぁ!それは茜が…」
彼女は赤ん坊の顔を見ながら
また眉間にしわを寄せていた。
「まったく。
あ、本当にすみませんでした」
ペコペコとお辞儀をしてくるので
俺は大丈夫と返した。
「それにしてもやべーな、この部屋…」
ごちゃごちゃになったリビングを見渡して
ぼそっと呟いた。
その声が聞こえたのか彼女が喋り出した。
「ですよね。あははは…
この子寝ていたので
シャワーでも入ろうと思って
目を離した隙に…………」
話していた彼女はだんだんと
笑顔が青ざめた顔に変わっていった。
どうしたのかと思っていたら
彼女は自分の姿を確かめるように
全身を見ていた。