空恋 ~君が残したメッセージ~
「まぁまぁ、顔上げなよ。
謝ることないって、こんな愚弟に。
勝手に家に入ったコイツが悪い」
ゴンッ
男の子のお姉さんらしき人が男の子の
頭を軽く殴った。
…グーパンチで。
「ってー…」
痛そうに頭を抱える男の子に罪悪感を覚え
ひたすら謝った。
「てことは、親子二人ってその子とあなたってこと?」
軽く事情を説明し、私は自己紹介をした。
「はい…。
あの、青野実侑って言います。よろしくお願いします。
で、この子が私の子どもで茜です」
「茜…ちゃん?」
「あっ、男の子です」
「何ヵ月なの?」
「6カ月です」
「あらそうなの?可愛いわね」
「ありがとうございます」
また頭を下げ、茜を抱き上げた。