空恋 ~君が残したメッセージ~
ボソッと実侑に聞こえるか聞こえないか
くらいの声で呟いた。
聞こえていませんように。
そう願ったが残念ながら聞こえていたようだ。
「わ、私はものじゃないですっ!」
顔を真っ赤にして涙目で俺を見る。
「もー、まじで反則だから…」
実侑は?を頭の上に掲げている。
鈍感め…
「てゆーか泣いてんじゃなかったの?」
「な、泣いてないよ?!」
「あ、そう」
そう俺が答えると後ろから
甘ったるい声と匂いがした。
「恵?もーどうしたの?」
「…平山」
振り向くと二階から降りてきた平山がいた。
「遅いからきちゃった」
そう俺に言うと
自分の腕を俺の腕に絡んできた。
そして実侑をチラッと見て
「こんにちはー!
恵と同クラの平山愛梨ですっ」
ニコニコしながら言った。
「こ、こんにちは…」