空恋 ~君が残したメッセージ~
実侑は茜を呼びにリビングへ向かった。
二人きりになった俺と平山は何も言わずに
ただ無言の嵐だった。
平山がこんなに静かなの初めて見た。
俺はこの沈黙を破るように平山に頼んだ。
「あのさ実侑んち行ってくるから
ジュースとかお菓子さ
二階に持っていってくんね?」
「…分かった」
平山は呟くように頷いた。
下を向いていたから顔は見えなかったけど
声で泣きそうな感じだったのは分かった。
それを分かってて何も言わない俺は
ただ気付いていないふりをした。
………俺って最低だな。