空恋 ~君が残したメッセージ~
「ああ、分かった」
「おかげでさ、もう仕事終わっちゃったよ」
ニコニコしている実侑は
本当に嬉しそうに話す。
なんていうか純粋なんだよな、実侑は。
「まぁんまぁ…あー、ぅ…」
「あー、はいはい。今入るよ」
グイグイと服を引っ張る茜は
今すぐぐずりそうだ。
おそらく眠たいんだろう。
「早く家入ってやれよ」
「うん、そうする」
「じゃあな」
俺はそう言って家に帰ろうとした。
そんな時実侑は玄関の前の柵に手を置いて
ガシャッと体を乗り出して俺を見た。