空恋 ~君が残したメッセージ~
「爆発するってなにが?」
突然頭の上から声が聞こえた。
この声は…と思い顔を上げて確認した。
「お前何やってんだよ。遅せぇって」
柊だった。
「別に何でもねぇよ」
「爆発するってやつは?」
「それはもっと何でもねぇ!」
「何だよ。いきなり大声出すなよ。
近所迷惑だろ」
…いつもうるさいコイツに
それだけは言われなくない。
「てゆうか、愛梨がさっき帰ったぞ」
「…あっそう」
「あっそうって、お前なぁ。
…………分かってんだろ。愛梨の気持ち」
俺は何も言わずにただ柊の話を聞いていた。
「中途半端なのはやめろよ」
柊はそう言って家に入っていった。
「……分かってるよ、そんなの」
そんなの。俺が一番よく分かってる。
気付かないふりはもうしちゃいけないのは
分かってるよ______
俺は少したってから家に入った。
玄関でほのかに香るあいつの匂いが
今は鬱陶しくなることはなくて
ただ罪悪感でいっぱいだった。