恋スル。
あ、コウ。
次の日の朝、校門前で欠伸をして眠そうなコウを見つけた。
最近は橘くんとは話すようになったけど、コウとはあんまり話していない。
たまに廊下で目が合うけど、橘くんみたいに話しかけてくることもないけど、コウは少しだけ笑ってくれる。
「おはよ、花陽〜」
「わっ、びっくりした!
おはよう、澪」
コウのことを見ていたわたしは、後ろから澪に抱きつかれて驚いた。
「何ぼーっとしてたの?」
「別に何でもないよ」
わたしがコウと知り合いだってことは、澪に言ってない。
きっとコウも言わなそうだから、橘くんも知らないと思う。