恋スル。



「お前さ、授業どうする?」

「授業…?」

「さっきチャイム鳴ってただろ」

「………へ!!?」

「まじで気付いてなかったのかよ」



言葉は呆れたような感じだったけど、その人は笑っていた。

わたしもつられて笑っていた。


誰もいない廊下で、二人は笑い合った。

恋人なら、キスができるくらいの距離。

でも、わたしたちは恋人でもなく、友達でもない。


似た者同士の関係。



「えっと、ごめんね…
名前聞いてもいいかな?」

「長谷 宏介、みんなコウって呼んでるからコウで良いよ」

「コウ、か…
わたしは久住 花陽、よろしくね」



こうして、わたしたちは出会った。



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