恋スル。
「俺も一人友達誘うからさ、どう?」
「…それなら。
後で澪に聞いてみるね」
「ありがとう!」
そう言って嬉しそうに笑う橘くん。
何も知らなければ、きっとわたしは幸せなのに。
橘くんの気持ちを知ってる以上、辛くて仕方ない。
「実験室遠いから、もう行くね」
「そっか、呼び止めてごめん!
じゃあ、よろしく!」
「うん」
橘くんと別れると、ため息が出た。
ため息をつくと幸せが逃げるって聞くけど、もうわたしには逃げるほどの幸せもないんじゃないかって思えた。