Dear…愛する貴女よ
「お・・お前・・ひょっとして・・」

「んー、何ー?啓くん」

やたらキラキラした目でゆりがオレを見る。


コイツ・・

「お前まだ正式に親父と結婚してねーんじゃないかっっっ」

ゆりはさっきのキラキラした目を一瞬にして曇らせた。

「う・・ん。口約束だけなのよね・・」

口約束って・・・。オイ・・。

「で?婚姻届にサインしてもらえるワケ?」

オレはそんなゆりに少しイジワルな質問をした。

「・・・」

し、しまった・・。

ものすごく落ち込んでやがる・・。

ヤバいっ、泣きそうになってる。

「い・・いやっ、気にするなっ。今の質問ナシナシっ」

オレは焦ってフォローになっていないフォローをした。



頼むーーっ、顔を元に戻してくれーーーっ












「オイ・・親父いつ帰ってくんだよ・・」

「んーー・・」

「オレは腹が減ってんだよっっっ」

夜になって食卓に豪華な食事が並べられている。

もちろんゆりが親父のために用意したものだ。
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