Dear…愛する貴女よ
夢の中の親父に嫉妬した。

そして・・めちゃくちゃにしてやりたくなった・・。


気持ちが止まらない・・。



「ん・・・啓くん・・」

「え・・?」




信じられない言葉を聞いた。


もしかしたら・・夢でゆりと会っているのは・・オレなのか・・?


親父を求めていただろう手がもしやオレを求めているのかも・・という可能性がオレの心を熱くした。


急いで伸ばしていたゆりの手を取った。


「こ、ここだ・・オレはここにいる」


そしてゆりを抱きしめた。




オレ・・


この目の前の女が・・


ゆりが・・愛おしい・・。




行き場のない、どうにもならないこの気持ちが無性に情けなくって少し涙がでた。



その辺に転がっていた飲みかけの酒を一気に飲み干した。


オレはいろんな感情が沸々と湧いてきて・・

ゆりをきつく抱きしめた。

そうしてると自分の理性が遠のいていくのに気がついた。






その夜・・苦しく眠るゆりをオレは・・・抱いた。
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