Dear…愛する貴女よ
「あ・・ああ・・」

オレがビビってるのとは裏腹にゆりはかなりいつもどおりだった。


何とも・・思ってないのか・・?


「ちょっ、昨日の夜・・」

オレは昨日のこと、そして今日の朝のことを聞こうとした。


「あっ・・!ごめんね、啓くん・・私ってば大人なのに・・恥ずかしい・・!お酒飲みすぎて・・服脱ぐなんて・・啓くんのベッドまで占領しちゃうなんて・・!」


「なっっっ」

オ、オイ・・疑うことを知らないのか・・?

普通、どう考えても疑うだろう・・?


「ホントにごめんねっ」

「あ・・ああ」

オレ・・なに謝られてんだ・・?

本当のこと言えない自分が情けない・・。

知ったら絶対に傷つく。

・・・どうしよう・・オレ・・絶対、言えねぇ・・。


「あっ、啓くん・・お父さんから連絡は?」


・・・なんだか結構キツいな・・。

自分の気持ちに気付いたことが。

ゆりの口から親父の話題をされるのが・・。

< 24 / 86 >

この作品をシェア

pagetop