Dear…愛する貴女よ
ゆりの身体を元に戻してくれっ!
オレは何を失ってもいい。
ゆりを・・
オレの愛する貴女を幸せだったあの頃に・・
戻してくれ・・。
「・・啓・・」
「せっ、せん・・せい・・」
オレは泣き声で答えた。
「今少し眠ってるから・・傍にいてやれ」
オレはどうしても泣き止むことができなかった。
こんなに泣いたのは・・小学生以来だ。
・・涙の重みが・・まったくちがうけど・・。
「会って顔見てこい」
「だ・・ダメだ・・そんなこと・顔なんて見れない・・」
どこまで情けないんだ・・。
ゆりの顔をみる勇気もない。
「彼女の相手・・お前なんだろ・・?」
先生はゆっくりときいてきた。
「・・・」
「どんな事情があるかは知らないけども、お前は彼女を妊娠させてしまったという事実がある以上会わないといけない義務がある。
どんなに嫌で、辛くても・・」