Dear…愛する貴女よ
「大好きよ・・。私、きっと啓くんがいなかったら今頃・・たくさん泣いてたよ・・?」
違う・・。
違うんだよ・・。
オレが今からお前のこと・・いっぱい泣かせるんだよ・・。
オレがいたからゆりの人生が狂ったんだ・・。
オレさえいなかったら、きっと・・きっと・・。
「ねぇ、啓くん。啓くんがどんなに周りの人から非難されても、いつか大切な人ができて私のこと忘れたって・・いつでもどこでも啓くんの味方だよ・・?」
・・ゆり・・。
こんなオレのこと・・。
だけどきっと、いや絶対、ゆりは妊娠のこと・・そしてその原因がオレって分かったら・・。
オレの大切な貴女はやっぱりオレを嫌い、軽蔑するだろう・・。
そしたらゆりはオレの味方をしてくれるだろうか・・。
たとえ誰に非難されても嫌われても軽蔑されても・・。
そうだ、オレは心のどこかで思ってた。
もしかしたらゆりはオレのしたことのすべてを許してくれるのかもしれないって・・。
どこまで最低なヤツなんだ・・オレは・・。
でも確かに思ってた・・。
そんなことあるはずないのに・・。
そしてオレはもう逃げることが許されない。
「ゆり・・オレ・・お前を・・抱いたんだ・・」