Dear…愛する貴女よ
目先の希望
2日ほど前、親父からの手紙が届いた。
封を開けると、あと1週間ほどで帰国すると書いてあった。
なぜだかゆりについてのことは書かれていなかった。
その同時期、ちょうど親父が帰ってくるころ・・オレの進路調査書の最終提出日だ。
相変わらず何も考えていない・・。
「啓、今日久々にウチこねーか?」
友達がオレに誘いかけてきた。
確かに久々だ。
気晴らしになるし・・。
まぁ、いいか・・。
「ああ・・そうだな、いくよ」
コイツ、裕司はすでに進路を決めている。
以前から興味のあったコンピュータ関係の専門学校に行くようだ。
こないだ屋上で話してたヤツもそんなこと言ってたっけ・・。
・・・流行ってんのか・・?
オレもパソコンをしないわけじゃないけど専門学校に行くまでハマることもないし・・。
決まった進路の話をする裕司をオレはうらやましく思える・・。
「お前と学校帰り一緒っつーのも久々だよなーー」
「・・ああ」
そう、裕司とオレは小・中・高・・いや、幼稚園の頃からの付き合いだ。
近所に住んでるにもかかわらず滅多に一緒にはいない。