Dear…愛する貴女よ
「啓にーちゃん、ボクこないだ新しいオモチャ買ってもらったんだーーっ」
浩太が自慢げにそのオモチャを持ってきた。
オレはまずそのオモチャのパッケージを見る。
・・・それは、親父の会社の製品だった。
「・・このオモチャおもしろいか?浩太・・・」
「うんっ、ここをこうしてねー、こうすると・・ホラっ、ペガサスに変身するんだーーっ」
みるからに超合金モノのオモチャを巧みに操る浩太をみてて、オレは昔自分が浩太くらいの年の頃を思い出していた。
「でもね、本物はもっともーーっっとかっこいーんだーー」
「そっか・・」
オレは浩太の持っていたそのオモチャに手を触れた。
そして、自分でも気がつかないうちに部品のあらゆるところを見尽くした。
「・・なぁ・・浩太・・。このペガサス1日貸してくれないか?」
「え!?啓兄ちゃんも好きなの?」
「・・ああ・・。浩太も好きか?」
「うんっっ、大好きっっ」
そんな浩太の笑顔がかわいくて仕方なかった。
「オレがもっと好きにしてやるよ」
オレは自分でも信じられない発言と行動に出た。
「おーーーっ、啓、どううだった?浩太のヤツやけにご機嫌だったけど」
「ああ・・いい経験した。スッキリしたよ」