Dear…愛する貴女よ
オレは一度電話を切った。

そしてため息をひとつ

「はぁーーーー」

もしかして・・マジな話じゃないよな・・。

こんなオレより年下の女・・

って、ちょっと待て!!

「だいたいアンタ、いくつだ?」

そうだよ、親父・・犯罪じゃん。こんな女に手ぇ出したら・・。

「私・・22歳です」

・・・立派な大人だったか・・。

「って22かよ!?オレ18だぞ!?」

「そうですよ?」

「いやいやいやいや、アンタどうみてもオレより年下じゃん!!」

「・・それって褒められてるんですか?けなされてるんですか?」

ちょっと複雑そうな顔を見せる。

信じられない・・こんな22歳・・。

4つも年上なのか・・。

「これからよろしくおねがいしますね、啓くん」

こっちの気持ちも無視して明らかにこの家に住む段取りの挨拶をされた。

冗談じゃねーぞ、オイ。

「あ・・おとうさま今日からしばらくヨーロッパの方へご出張みたいですよ」

・・・知らなかった・・。

つーか、親父・・どうせ朝話すなら「最近どう?」とかじゃなくてそういう肝心なこと話していけよ!!

どうりで携帯が留守番電話サービスなハズだよ。

親父のプライベート電話・・こないだチラ見したらオレが中学生のときの最新機種だった。

会社の社長のくせになんでそんな携帯なんだ?

かといって仕事用の最新携帯(もちろん海外でも使えるヤツ)の番号は知らないし・・。


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