Dear…愛する貴女よ
彩られた自分
オレは最終進路調査書に進学と書いた。
もちろん、暗い闇の道を手探りして歩くのじゃなく、とりあえずはずっと先にある1点の明るい先を目指して歩き出したつもりだ。
それはまだ造り始めたオレの未来のスタートに過ぎない。
オレは大学に行って経済学部を受験するつもりだ。
そして、社会のいろいろなことを勉強した上で、自分の手でオモチャを造っていきたい。
自分の会社をつくりたい・・。
・・ゆり・・。
いまどこでどうしてるんだ・・?
オレ・・やりたいことみつけたよ・・。
その夢を叶えるために大学に行く。
・・ゆり・・。
会いたいよ・・。
「啓ーーっ」
「よぉ、裕司」
「お前が改造したオモチャ、浩太のヤツムチャクチャ気に入ってたぜ?」
「そか、オレも気に入った」
「結局、進学だろ・・?」
裕司は心配そうに問いかけてきた。
「ああ・・何がしたいのか見えてきたから・・」
「がんばれよ、啓」