Dear…愛する貴女よ



「おっ・・前・・、そりゃダメだろーー・・」


オレは胸の奥につっかえていたことを初めて裕司に話した。


「裕司・・オレ、女マジに好きんなったん初めてだった・・」

「ああ・・そうだよな・・」


「もう絶対妊娠のこと知ってるはずだ・・。いまごろゆりがどんな思いでいるのかと思うと・・」

「啓・・」

知らず知らず裕司に泣き言を言っていた。

オレがそんなことを言える立場ではないのに・・。


「啓、ゆりさん・・中絶してる可能性だってあるよな・・?」

裕司がズバリを言ってきた。

そう、オレも考えなかったわけではない。

好きでもない男の子供を妊娠したんだから・・。

どちらかというと中絶している可能性の方が高い・・。

どっちにしてもオレの責任はすごく重くて・・。

オレはもうゆりに一生を捧げる覚悟だ。

それほどまでにオレという人間は罪深い・・・。


「裕司・・オレ、ゆりに会いてーよ・・」

ゆり、どこにいるんだ!?

ゆりはもうオレには会いたくなんかないかもしれない・・・。

だけど・・。

オレ・・会いたいよ・・。






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