Dear…愛する貴女よ


自分の進むべき道も、何をすべきかも少しずつ見えてきた。

もうゆりが心配してくれていた時のオレとは違う。


前へ・・前へ進む・・。


ゆりに出会い、ゆりを好きになったから・・。

心からそう思える。


「啓、いつかオレにも会わせてくれよ、ゆりさん」


「裕司・・」










そうして相変わらずゆりの消息はわからないまま、それでも忙しく月日は流れた。

オレは志望していた大学も受かり、あと卒業を待つだけの身だった。


実はちょっと前にオレは親父に手紙を書いた。


大学受験、自分の将来、そして・・ゆりのこと。

すべてを隠すことなく親父に告げた。



< 53 / 86 >

この作品をシェア

pagetop