Dear…愛する貴女よ
自分の進むべき道も、何をすべきかも少しずつ見えてきた。
もうゆりが心配してくれていた時のオレとは違う。
前へ・・前へ進む・・。
ゆりに出会い、ゆりを好きになったから・・。
心からそう思える。
「啓、いつかオレにも会わせてくれよ、ゆりさん」
「裕司・・」
そうして相変わらずゆりの消息はわからないまま、それでも忙しく月日は流れた。
オレは志望していた大学も受かり、あと卒業を待つだけの身だった。
実はちょっと前にオレは親父に手紙を書いた。
大学受験、自分の将来、そして・・ゆりのこと。
すべてを隠すことなく親父に告げた。