Dear…愛する貴女よ
親父の表情はとんでもなく曇っていて、それを見るたびに罪悪感でいっぱいになる。
ゆりを愛したことに後悔なんてない。
だけど、オレのしたことは目の前にいる親父を、最も大切に想っている女を傷つけた。
オレは親父が話しだすのをじっと黙って聞いていた。
「・・・お前の手紙、読んだよ・・」
身体が硬直した。
「とりあえず、何から話そうか・・」
・・・?
見間違えか・・?と、一瞬思った。
親父の顔が柔らかくなっていった。
口を開く親父が語るのはオレの知らないもう一つの真実。
いや・・正真正銘、本当の真実・・。