Dear…愛する貴女よ

SWEET LIFE

「啓くん、啓くん、朝ですよー」

「ん・・ん・・」

「けーーーいくんっ」

・・・?

誰か呼んでる・・。

オレはまだ寝たりない感じでゆっくりと体を起こしながら目覚めた。

「ひぃっっ」

半開きの目が一気に開いた。

なんと、目の前にゆりがいた。

つーかオレの部屋だし、勝手に入ってるし・・。

「なんで毎朝毎朝オレの部屋にいんだよっ!入ってくんなよ」

「だって・・学校にいく時間だよ??」

・・そう、この女・・ゆりがこの家に居着いて数日がたった。

毎朝毎朝オレの部屋に入ってはムリヤリ叩き起こす・・。

こんな規則正しい生活に慣れていないオレは普段の生活のペースが狂ってしかたがない。

「学校なんて出席日数分とテストの日くらいにいっときゃーいいんだよ」

実際オレは1年も2年もそんな感じで進級していった。

とくに誰からかお咎めがあるわけでもないし自分のやりたいようにやってきて平穏に過ごしてきたんだ。

今更この生活に口を出されても困る。

「そんなっ、啓くん勉強だってちゃんとしないと」

「・・勉強・・??」

ゆりはオレの部屋からでてリビングへ行こうとしていた。

「ちょっとまてよ」

そんなゆりを引き止めた。

そしてオレは机の上の紙に手をやり彼女に手渡した。

「これなーに?啓くん」





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