Dear…愛する貴女よ
未来の瞬間
新生児室の小窓をじっと見つめる。
もちろん、あの中で一番かわいいのがオレの娘だ。
ここへ来てはこればっかりを思う。
一体何日経っただろう・・。
「・・啓くん・・?」
愛しい人の声が聞こえた。
「・・ゆり・・」
ゆっくりの足取りでオレの傍まで歩いてきた。
「大丈夫なのか!?」
「もう大丈夫だよ・・」
そう言って柔らかい笑顔を返してきた。
実はあの出産のあと、ゆりの体調が突然崩れだしてしばらく絶対安静状態だった。
思ったよりも回復も早かったみたいでどうやらもう歩けるくらいまでにはなったようだ・・。
「ごめんね、啓くん・・。心配かけちゃって・・」
「なっ・・何言ってんだっ・・心配なんて・・!!」
めちゃくちゃしたけど!!
発狂しそうになって医者の胸ぐらつかんだけど・・!!
「・・・ぷっっ・・」
赤い顔をして開いた口をパクパクさせているオレを見てゆりはクスクスと笑う・・。