Dear…愛する貴女よ



・・は!?

えっ!?


ちょっ、ちょっ、ちょっと待って!!


いやいやいやいや・・なんつーか・・・




うまく言葉が出てこなさすぎる。


だってあの日オレは、酔っぱらって泥酔したゆりを勝手に・・



「さみしくて・・なさけなくて・・だけど、啓くんに抱かれている間はとてもあったかくて・・」


「ゆり・・」


「だからね、啓くん、もう無理矢理抱いた、とか思わないでね・・。
 私、啓くんが悩んでたのだってなんとなくわかってたの・・」


ゆりが発する言葉ひとつひとつがオレにはとても重い・・。

ゆりの葛藤とオレの葛藤がなんだか複雑に混ざり合ってるようで・・。

それもさらに重くのしかかる。

ただ・・

純粋無垢だと思っていたゆりがすごく人間くさくて

オレはそれがまた愛おしいと思ってしまった。


身体の小さなゆりがさらに小さく見える。

か細いからだ、華奢なからだ、それをオレのすべてで守ってやりたい。




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