Dear…愛する貴女よ
「私の勝手な思いで啓くんの将来を台無しにしてしまうわけにはいかない・・。
・・・今でもそう思ってる・・」
ゆりの声がかすかに震えている。
あんなに知りたかったこのオンナの本音・・。
分かり始めるととてもかわいくて・・ついニヤけてしまう。
涙を流しながらオレのことを考えているなんて・・少し前なら考えつきもしなかった。
「ホントにそんなこと思ってるワケ?
お前のいない将来なんてオレはいらない」
「啓くん・・」
「オレはお前に出会っていろんなことを考えるようになった・・・。
自分のことなんてまったく興味がなかったのに、人を好きになって・・小さいときに思っていた自分の夢まで思い出したよ・・」
オレの本音。
聞いてほしい・・。
「オレはもう迷わない。
自分の進むべき道を、お前と・・それから、あそこで眠っているオレとお前の子供と・・一緒に歩いていきたい」