獣は小鳥に恋をする
私─吉塚 澪は、自分で言うのも変だが、視力の良さだけが取り柄のぱっとしない地味な女子だ。
頭もかなり悪い。
ちゃんと自分で自覚してる。
今までは授業中にあてられても周りにいた友達が助けてくれていたのだが、今回はそれは期待できそうにない。
最悪友達じゃなくても隣の席の子に話しかることができればいいのだが
「それは無理そうねーー」
菫は頬杖を突きながら呆れたようにそう言った。
そう
今現在、澪を絶賛悩ませていること
それは隣の席の住人
クラスの中で一番の問題児だと言われている人物
如月 葵に話かけることだった。