たとえ誰かを傷つけても
たとえ誰かを傷つけても
始まり
「ねえねえ、八神君ーあの子いいと思わない?」
と柊真がいった。
「あのこって?」
「りーちゃん!」
その名前を聞いたとたん、俺はドキッとした。りーちゃん・・・同じクラスの中谷りかのことだ。
「どう思う?」
柊真がこっちに視線を移す。俺は、胸の動揺を悟られないように平静を装おった。
「どうって・・・うん、いいんじゃない? なかなか可愛いし。」
「だろ? だろ?」
柊真はうれしそうに飲みかけのジュースをゆらしながら俺にすり寄ってきた。
「それだけじゃないよ。あんまりめだたねぇんだけどさーなんか雰囲気いいよなー優しいし。」
「ああ(知ってるよ)」
「この前もさー体育で内山がこけたときも真っ先に保健室に連れて行ってたろ? 気が利くんだよな」
「・・・(知ってるっつーの!)」
「今日も、自販機前でこのジュース買おうとしたら、小銭なくってさー困ってたら、すぐに貸してくれたし」
「・・・(それは知らない・・・もしかして、こいつりーちゃんの手に触りやがった・・・?)」
「でさ、八神君!」
柊真はにやっと笑い俺の顔をのぞき込んだ。俺はいやな予感がして身をすくめた。
と柊真がいった。
「あのこって?」
「りーちゃん!」
その名前を聞いたとたん、俺はドキッとした。りーちゃん・・・同じクラスの中谷りかのことだ。
「どう思う?」
柊真がこっちに視線を移す。俺は、胸の動揺を悟られないように平静を装おった。
「どうって・・・うん、いいんじゃない? なかなか可愛いし。」
「だろ? だろ?」
柊真はうれしそうに飲みかけのジュースをゆらしながら俺にすり寄ってきた。
「それだけじゃないよ。あんまりめだたねぇんだけどさーなんか雰囲気いいよなー優しいし。」
「ああ(知ってるよ)」
「この前もさー体育で内山がこけたときも真っ先に保健室に連れて行ってたろ? 気が利くんだよな」
「・・・(知ってるっつーの!)」
「今日も、自販機前でこのジュース買おうとしたら、小銭なくってさー困ってたら、すぐに貸してくれたし」
「・・・(それは知らない・・・もしかして、こいつりーちゃんの手に触りやがった・・・?)」
「でさ、八神君!」
柊真はにやっと笑い俺の顔をのぞき込んだ。俺はいやな予感がして身をすくめた。
< 1 / 34 >